読了本

長編、初の上下巻。かなめというヒロインが私は好きでたまらないんだけど、人にずけずけ言うぶん自分でもちゃんとやってみせる行動力のあるところが気に入っているのだと思う。今回は自暴自棄になりかけ、絶望寸前まで追い詰められるけれども、そこでつぶれず諦めないかなめの粘り強さというか往生際の悪さが気持ちいい。なんというか、生命力のかたまりな感じで。

短編第5弾、第6弾。次々とひどい目にあわされる用務員・大貫善治氏に同情しきりだったのにこのオチ。めちゃめちゃ笑った。「迷子のオールド・ドッグ」も爺さんがいい味出してたし、「時間切れのロマンス」の『恋する七人/地獄の最終大決戦』の意味不明な壮大さには止めようもなく笑いがこみあげてきて参った。カリーニンの手料理と魔女宅への冒涜にも思わずニヤリ。