ジル・
チャーチルのコー
ジーミステリ、シリーズ第一巻。郊外の住宅地に住む平凡な主婦のジェーンが殺人事件に巻き込まれるのだが、解決までにはこまごました家事や子育て、ご近所づきあいのあれこれがたっぷり挟み込まれる。ジェーンがサラダのためのみかんジュースを手に入れようと走り廻るくだりなど、所帯じみた描写が好きな人にはたまらないだろう。テンポよくさくさく読める割に展開が平坦じゃないのもいい。
浅羽莢子訳なのが嬉しくも寂しいが、これ
からしばらく楽しめそう。
「鬼と小鬼」の冬吉って結局なんだったんだろ。展開がミステリ寄りな表題作と「男ぶり」「今昔」はそこそこ面白く読めたけれど、いまひとつパッとしない感じは残る。「はるがいくよ」の初出はケータイ文庫だったようだ。なるほど内容が薄い(←偏見)。思わせぶりな出だしなのに抒情で水増ししただけで終わるんだもん。
柴田ゆうのイラストは相変わらず可愛いんだけど、本体の魅力がどんどん目減りしていくのが残念でならない。