読了本

1巻のころは事件の顛末が語られ、じじつ退職父さんの推理が正しかったと知れる終わり方が多かった。でも最近はあくまで安楽椅子上の推理にとどまっている。説得力はあるけれども、父と子のおしゃべり以上のものではないのだ。話が現実に引き戻されるより、絵空事めいたまま終わるほうが推理ものとしてしゃれているかもしれない。「筆まめな死体」の被害者は自分にだけ分かる省略法でメモを残していたのだが、その暗号のような記述の意味をえんえん解き明かしていくのはしゃれがきいてて面白かった。