新装版の完結巻。話が途中で終わってるのは、
ウィキペディアによれば打ち切られたためらしい。当時の編集もみる目がないね。まあ話が硬派(社会派?)すぎるのを嫌ったのかもしれないけど、そこがこの作品の魅力でもあるわけで。他にないもんなあこういう作品。もと獣医師というだけあって作者の主張には重みがある。
一迅社はエライ、続編を載せるだけでなくこれまでの話のフォローもちゃんとしてくれるんだから。この巻では委員長が大活躍。入浴シーンまであるとなりゃ、人気出るのも当然だわ。
というわけで続編の冒頭は新装版のラストと繋がっている。ラベンダーの一品種「おかむらさき」が遅れてきた弟みたいな花というのを太助になぞらえるのはうまいなあ。みさと先輩の胸の鼓動が伝わってくるようで、こっちまで胸がきゅんきゅんしてしまった。委員長が一歩下がって“仲間”のポジションに落ち着いてしまいそうなのはちょっと残念。でも略奪愛とかは似合わない子だし……その分まいが暴れそうだが。いきなりのファンタ
ジー展開には驚いた。太助の能力は「そういう設定」のまま流すのかと思っていたので。
タイトルの読み方は「なりわたる らいじん
おしん ぜんでん」。明治に流行した実録毒婦もの(みたいなジャンルがあったらしい)の主人公・お新の活躍をオリジナルストーリーで描いたユーモアたっぷりの
ピカレスク活劇。型にはまらない
アウトローのお新姐さんが激しくエロかっこいい! でも姐さんの遊びは危険すぎます! ご一新前はお姫様育ちってホントかいな。今後は生い立ちなども描かれていくのだろうか。新聞社の探訪員・矢藤専三や姐さんの子分・馬尻の銀二といった脇役もおもしろい。