読了本

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と石榴と夏休み
櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘/太田紫織
人の死にもいろいろなドラマがある。2作目では鴻上さんが、3作目では犬のヘクターが登場。サモエドだったのか、セッター系の優美なイメージだったけど、むしろファニーなのね。なにはともあれ、犬はいいな。かわいい。相変わらず北海道グルメの描写はお見事。焼き肉とかケーキとか、よだれものだ。ところで旭川のたい焼きはあんこが甘じょっぱいの? 人体うんちくも面白かった。私、薬指が人差し指より長いんだけど(今回はじめて気づいた)、胎児の時に男性ホルモンを多く浴びるとこうなるそうな。性格的には自分が男性脳だとは思わないけどなぁ。水芭蕉の短歌の解釈が変わるくだりとかも興味深く、思っていたより多方面のネタが盛り込まれていて巻を追うごとに読み応えが出てくる感じ。にしても、正太郎が櫻子さんのところに出入りするようになった理由がいまだに描かれないのに、いきなり絶縁宣言されてしまったよ。今のところ、櫻子さんはほんとにエキセントリックだなあ、と思うばかりだけど……これが例の花房に繋がっていくのだろうか。