読了本・コミックス

超訳百人一首 うた恋い。2

超訳百人一首 うた恋い。2

超訳百人一首 うた恋い。2/杉田圭
1巻も面白かったが、2巻はすこし趣を変えて「人生において歌とは何か」という、自己実現の手段としての和歌のありかたを探るみたいな、ちょっと構えた感じの話になってて。ストレートに面白いというんじゃないけど、こういうのもありかなと。文屋康秀あたりは確かにこんなこと考えてたかもね。でも寒いダジャレはどうなの(笑)。テーマは固くてもサイドストーリーは相変わらず楽しい。吉子を手のひらの上で転がす宗貞お兄さま(僧正遍照)と、小野小町と対等に殺伐とした会話を交わしあう在原業平が好きだ。古今集の仮名序はホントに誉めてるのかけなしてるのか分かんないな!

猫絵十兵衛~御伽草紙~ 4 (ねこぱんちコミックス)

猫絵十兵衛~御伽草紙~ 4 (ねこぱんちコミックス)

猫絵十兵衛御伽草紙 4/永尾まる
猫のけなげさにしばしば涙腺がうるっとなってしまった。一番大切な居場所だったところを守るお珠とか、かかサンに会えた迷い子とか、十兵衛に助太刀する福助とか。八百八の旦那がデレるのはみえみえだったけど、そういう救いがあると分かってるからこそ安心して読めるってのはある。不幸な話は現実だけでじゅうぶんなんで……年老いた猫のしっぽが二股になっても構わないから、飼い主としては長生きしてほしい。そんな夢を見たいんだもの。